共謀罪とは何でしょう?
最近この言葉をいろんな場所で目にするようになりました。
今回は「共謀罪」について説明します。
初めに言っておくと、この法案は「まだ」成立していません。(2017.3現在)
この法案を実現するかどうかはまだ議論されている途中です。
それを踏まえて、なぜこの法案が必要だと言われているのか?
どんな法案なのか?
成立したら何をしてはいけなくなるのか?
この法案の問題点は何なのか?
こういったことを説明します。
「共謀罪とは」どんな法案なのか?
そもそも「共謀」とは何でしょうか?
意味は
「2人以上の者が一定の犯罪を行おうとする合意」
のことです。
2人以上で
「〇〇という犯罪をやろう!」
と計画することを「共謀」と言います。
(例:共謀して強盗を働く)
一人が犯罪で捕まったら、その犯罪を実行せず計画したもう一人も捕まります。
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共謀罪とは、
「犯罪が起こる前に、犯罪を計画した団体を逮捕できるようにしよう!」
というもの。
2人以上で適用されるから「団体」という言葉が入っています。
今は犯罪が「起こってから」しか犯人を逮捕できません。
でも、計画をしている段階で逮捕できたら犯罪を防止できます。
つまり共謀罪とは、
「犯罪は計画しただけでも逮捕できる!」
という法律です。
しかも、昔に比べ
・外国人の人が多く日本に入ってきたこと
・インターネットの普及で情報が入り乱れるようになったこと
などの理由から、刑法を整備する必要があると考える人が増えています。
どうしたら「共謀罪」は成立するのか?
ちょっとした愚痴や悪口などでは捕まえることはできません。
犯罪のレベルがある程度高くある必要があります。
それは
「4年以上の懲役・禁錮の罪に値する犯罪を実行させる団体」
です。
凶悪な犯罪を計画した場合に取り締まれる法律というわけです。
また、「共謀」という言葉が入っているので、
一人で計画した場合は共謀罪にはなりません。
なぜ、「今」議論されるようになったのか?
2020年に東京オリンピックが開催されます。
色んな国の人が日本にやってきます。
その中には悪いことを考えている人もいるでしょう。
「共謀罪」がそれまでに成立していれば、
テロが起こる前にテロを計画した人を捕まえることができます。
だから「今」、共謀罪が議論されているのです。
もう一つ重要な事があります。
国際犯罪組織防止条約と言うものがあります。
これは何かというと
「重大な犯罪を犯そうと考えている人たち」を取り締まろう。
と言うものです。
「条約」という言葉に注目してください。
条約と言うのは「法律」よりも優先されるものです。
つまり 条約 > 法律
なので、条約のほうが大きな力を持っています。
国際犯罪組織防止条約は、2003年に国会が承認しました。
目的は国際的な犯罪組織から国を守るためです。
共謀罪の問題点とは?
新しい法律を作るときには必ず何らかの問題があります。
国民にとって、共謀罪はどんなデメリットのある法律なのでしょうか?
この法案、実は何回も「廃案」になっています。
2003年以降、何回か国会に提出されましたが、廃案になっています。
なぜでしょうか?
共謀罪を成立させると
以下のような問題が起こる可能性があるからです。
- 国民が「自分たちの心の中を見透かされている気がする」と思ってしまい、自由な発言ができなくなる
- 怪しいと思われたらずっと付け回されるのでは?という不安
- 共謀罪を成立させるには、盗聴や密告などの犯罪行為が必要になる
まとめ
共謀罪とは
・犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案
・2人以上が懲役4年以上の犯罪を計画したときに適用される
・まだ成立していない
注意
この記事では、「共謀罪」を成立させたほうが良いか、やめさせたほうが良いかを議論しているわけではなく、「共謀罪」とはどんなものなのかを説明しているだけです。