以上、以下、未満
ものの範囲を表すこれらの用語、それは、基準点を含むかどうかで定義が変わってくる。
「以上」と「以下」の共通点とは?未満の反対はなんというのだろう?
今回は、それらの意味の違いと「未満」の対義語
その使い分け方とイメージの仕方について説明しよう。
「以」の意味
「以上」と「以下」で共通して使われている漢字「以」について見てみよう。
これさえ意識していれば、二度と間違いは起こさなくなる。
「以」には、ある時・所を起点として
という意味がある。
なので、図にするとこうなる。
以上が「基準を含んでそれより上」
以下が「基準を含んでそれより下」
という意味になる。
他にも「以」を含んだ漢字があるのでそれで確認してみよう。
以来(いらい)= ある日から今に至るまで
以後(いご)= 今から先
これらの言葉には「今を含めて」という意味が隠されている。
ポイント
以 =「今、現在」を含めて考える
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未満の反対は?
未満とその反意語について見てみよう。以上と以下、そして未満は聞いたことがあるかもしれない。しかしその反意語はご存知だろうか?
未満の反意語は「超過(ちょうか)」という。駐車場に長い時間車を停めていると「超過料金」を支払わなければならないことがある。一定の時間を超えることを超過というのだ。
超過と同じ意味で「超える」と言うものがある。この2つは文脈に応じて使い分けなければならない。
スピード違反したときは「スピード超過」というが、具体的に何キロの制限があったのかも知りたいときは「制限速度50キロを超えて走行した」と言ったりもする。
これで50キロよりも速く走行していたという事実が伝わる。
「超過」という言葉、日常でつかう話し言葉では、「〇〇より大きい」と言いたいとき「〇〇超過している」とはあまり言わない。会議や学会では使うかもしれないが、あまり聞き慣れた表現ではないだろう。
「超過」は、どちらかと言うと書き言葉に向いているように思う。
未満と超過のイメージは以下
使い方
「超過(超える)」は、基準を含まないでより大きいもの
「以上」は、基準を含んでより大きいもの
「未満」は、基準を含まないでより小さいもの
「以下」は、基準を含んでより小さいもの
をそれぞれ表している。
それでは、今までのイメージをまとめてみよう。
今度は記号と具体例で説明してみよう。
「超過」「以上」「未満」「以下」には、それぞれ次のような不等号を用いる。
> (大なり記号 超過を表す)
≧ (大なりイコール記号 以上を表す)
< (小なり記号 未満を表す)
≦ (小なりイコール記号 以下を表す)
Aが10を超える(超過)場合
A > 10
A = 11 12 13 14 15 …
Aが10以上だと
A ≧10
A = 10 11 12 13 14 …
Aが10以下だと
A≦10
A = 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1
Aが10未満だと
A < 10
A = 9 8 7 6 5 4 3 2 1