選挙が近づくと必ずと言っていいほど話題になる「一票の格差」
どういう意味なのだろう?どういった問題があるのか?
いくつか問題があるが、まずは一票の格差の意味のイメージをつかんでおこう。
一票の格差のイメージ
以下の例を見ながらイメージをつかんでほしい。
A町:人口(有権者数)10人 若者1人 高齢者9人
→6票獲得すれば当選確実
B町:人口(有権者数)10000人 若者4000人 高齢者6000人
→5001票獲得すれば当選確実
A町の場合は有権者数が少ないので、少ない票で当選できるが、
B町は有権者数が多いので、たくさんの票を獲得しなければ当選できない。
これではA町の一票はB町の一票の1000倍の価値があることになってしまう!
つまり、
選挙を行ったとき、異なる選挙区の間に生じた一票の価値の差
これが一票の格差だ。
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一票の格差の問題1
B町では2000票もらったのに落選する人がいる一方で
A町では6票で当選するということが起こる。
明らかにB町で落選した人のほうがA町の人より票を稼いでいる。
この結果の何がいけないのだろう?
この問題をちょっとサイコロを例に考えてみよう。
サイコロでとある目が出る確率は1/6だ。これはサイコロを6億回投げると
それぞれの目の出る回数は大体
1の目 → 約1億回
2の目 → 約1億回
3の目 → 約1億回
4の目 → 約1億回
5の目 → 約1億回
6の目 → 約1億回
になることを意味している。実際そうなる。
しかし転がす回数が少ない場合、例えば6回しか投げなかったら下のようになることもしばしばあるのだ。
1の目 → 0回
2の目 → 0回
3の目 → 0回
4の目 → 0回
5の目 → 0回
6の目 → 6回
本当なら全部1回ずつ出るはずだが、6回しか投げないのでこういうこともあり得る。
つまり、回数が少ないとか、有権者数が少ない場合だと、きちんとした結果が得られにくいということだ。
有権者数が多いほうがみんなに公平な政策が選ばれる確率も高くなるということ。
一票の格差の問題2
A町の場合、候補者は当選するためにどうしても高齢者の票が必要になる
ということはお年寄りにやさしい政策を掲げていなければ票が入りにくい
そうなると若者に不利な政治しかできなくなってしまう。
お年寄りを支えるのは若者だ。若者に不利な政策しかできなくなれば若者が町を去ってしまう。そうなると誰もお年寄りを支えられなくなる。
一票の格差の問題3
B町のように人口が多いと、「自分は投票しなくても結果は変わらない」と考える人が増え、選挙に行かない人が増えることにもなる。
一票の格差の問題4
その他の問題は、憲法で保障されている「法の下の平等」に反していることだ。
2013年には参院選で4.77倍の格差を記録し、最高裁判決で格差を是正する措置が取られた。