検査による反応を見るときに「陽性」や「陰性」などという言葉をよく使う。
どちらがどういう意味で、どうしてそういう漢字を使うのか、見ていこう。
陽性と陰性の意味
陽性
・陽気なこと
・刺激に対する反応がはっきりあらわれること
・何かが見つかった
陽 ・・・ はっきり見えること
検査結果がはっきり見えることから「陽性」という字になっている。
陰性
・消極的
・検査反応がないこと、現れないこと
・何も見つからなかった
陰 ・・・ 表面に現れないさま
検査結果がはっきり見えない、現れないことから「陰性」という字が使われている。
使用例
インフルエンザ 陽性 → 感染している
インフルエンザ 陰性 → 感染していない
陽性であれば反応があり感染している。
陰性であれば反応がなく感染していない。
では、陽性反応が出たら絶望するしかないのか?
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陽性 = 病気では必ずしもない
実はそうとは限らない。
検査によるが、病気ではないのに陽性反応が出る人はいる。
陽性的中率という言葉がある。
陽性と判定された場合に、その人が本当に病気である確率だ。
同様に陰性的中率という言葉もある。
(※陰性だったにもかかわらず、実は陽性だったということもまれにある。
また、インフルエンザの検査、妊娠検査、HIVなどの検査で陽性的中率は違う。)
陽性的中率が高い検査を行うときに、大多数の人がかかるような病気で陽性反応が出たら、ほぼ病気にかかっていると考えていい。
難病の検査はほとんど当たらない?
では次の例を考えてみよう。難病の検査をした人は参考にしてほしい。
難病の検査をすることになった。
ここで99.9%の精度で陽性反応が出る検査があったとする。
自分に陽性反応が出たら99.9%の確率で自分は病気だ。
そして陽性反応が出た。
どう考えても絶望しかない。難病であればあるほど、自分は病気なんだという確信が持ててしまうのは当然だ。
しかし、ここにパラドックスがある。
検査には
・病気で陽性反応が出た人(診断A)
・病気ではないが陽性反応が出る人(診断B)
・陽性反応が当たっている人(陽性的中率)
の3種類がいる。
欲しい結果は陽性反応が当たっている人の確率(陽性的中率)だ。
(※計算過程は流して構わない)
陽性的中率 = 診断A ÷ (診断A + 診断B)
では計算してみよう。病気にかかっており、陽性反応が出る確率(診断A)はこれだ。
病気ではないが、陽性反応が出る確率(診断B)はこちら
なので診断が当たっている確率(陽性的中率)は
診断A ÷ (診断A + 診断B)
=0.09999/(0.09999 + 0.00999) = 9.083%
まとめ
難病にかかった疑いがあり、しかも陽性反応が出たときに、その診断が当たっている確率は、上の例では9%程になる。
なので、難病であればあるほど、その検査結果が的中している確率は低くなる。
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