最近ディズニーランド内で嬰児(えいじ)の遺体が発見された話などがありました。
(2017.3/16)
ニュースなどではよく「えい児」という表現を使ったりします。
ポジティブな意味で目にすることはあまりない気がします。
新生児や乳児と表記しない理由は何なのでしょうか?
なぜ「嬰」という字を使うのか?
乳児や新生児との違いはなんだろう?
今回は、「嬰児(えいじ)」の定義について、詳しく見ていきましょう。
嬰児と乳児の違いは?
嬰児とは、以下のような赤ちゃんのことを言います。
・生まれて間もない子供、赤ん坊、乳飲み子、あかご、乳児
・本来は緑児(みどりご)と書く
・生後三年ぐらいまでの子供
(「嬰」という字は、あかご、乳飲み子、みどりごという意味があります。)
では、乳児と新生児はどうなのでしょう?
一見すると嬰児と同じような気もしますが見てみましょう。
乳児とは出生から満1歳未満までを表します(児童福祉法より)
新生児は生後4週間以内の赤ちゃんのことを言います。
これらの関係を図にまとめたので見てみましょう
(参考までに「未満児(保育用語)」も載せてます)
このように、嬰児とは乳児と新生児の意味も含んだ広い意味を持っているのです。
また、嬰児がニュースなどでよく使われるのは「生まれて間もない」の意味が多いです。
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今話題に取り上げる理由
なぜ乳児と嬰児を分ける必要があったか?
使い分けることに何らかの意図があると考えられます。
嬰児と乳児を使い分ける必要がある理由を考えつく限り挙げてみました。
・日本では嬰児殺しの場合は情状酌量により減刑され、執行猶予が認められる場合が多い(現行の日本の法律であれば殺人罪になりますが、執行猶予が付く場合が多いということです)
・嬰児はカバーする意味の範囲が広い。なので「乳児」か「新生児」か断定できないから使っていると考えられる
・広く使われている表現は「乳児殺し」ではなく「嬰児殺し」
ここで一つ疑問が生まれます。
なぜ、嬰児殺しの罪が軽くなることがあるのでしょう?
命の重さはみんな同じなはず。
実は、嬰児殺しそのものが減刑されるというよりも、嬰児殺しが起きる状況自体に
減刑が考慮される要素が含まれているからです。
動機としてよく聞くのは
「生活が苦しかったから」「育てる自信がない(精神疾患などにより)」
など。
加害者側がいくら努力しても状況を変えることができない。またはそのための努力ができない状態であった場合、刑は軽くなるようです。
日本では昔から「子は親の所有物」という考えがありました。
子が親を殺害した場合(尊厳殺人罪)は死刑になるなど、重い判決が出ていましたが、
親が子を殺害した場合は殺人罪よりも軽い傷害致死罪が適用されていました。
ですが、1995年、刑法の改正により「尊厳殺人罪」は無くなりました。
それでもまだ、刑法改正後も親殺しよりも子殺しのほうが量刑が軽くなることが多かったようです。
まとめ(事件の感想)
ではこのような問題、完全に他人(ひと)事だと言いきれるでしょうか?
貧困や精神的な病気が問題で嬰児殺しをしたというのなら、自分たちの身の回りでも
同じような状況の人がいませんか?
生まれたての子供を抱えていないだけで、同じような境遇の人は多いはず。
たまたまこの子供が事件に取り上げられたと言うだけで、本質的な問題は別のところにあるような気がします。