「去年の海外旅行は楽しかったね~」
これは普通に通じる。でも
「昨年の旅行は楽しかったね~」
だと何か違和感を感じませんか?
相手との距離を感じるというか・・・
そこで今回は「去年」と「昨年」の使い分け方について
明確なイメージを持って使い分けができるようになってみましょう!
「去年」の意味と使い方
辞書によると、去年とは
「今年を基準として一つ前の年のこと」
とあります。しかしこれは「昨年」も同じ意味として書いてあります。
では一体何をもって使い分けたらいいのでしょうか?
そこで、「去年」を使うときは
「親しい人と話したりするときによく使うもの」
とイメージしてみてください。
冒頭の
「去年の海外旅行は楽しかったね~」
という文章、これは親しい人との会話や思い出話などで使われる表現です。
また、「去」という字には、
遠くはなれていく、なくすという意味があります。
このことから「去年」は、一年前はそうだったけど、今は違う
というニュアンスも含んでいることがわかります。
「過去にこういうことがあったよ!」
とだけ伝えたい場合は「去年」を使います。
では「昨年」はどうでしょう?
スポンサードリンク
「昨年」の意味と使い方
昨年とは、
「過去にこういうことがあって、それが今も続いている」
と言うときに使います。
例
「昨年から続いている不況の影響で・・・」
「昨年からハワイにいます」
また、辞書には「昨年」とは、去年の改まった言い方
だとあります。
「去年」が雑談や思い出話に使われるのであれば、「昨年」は
会議や学会などの真面目な場で使う、と覚えておくといいでしょう。
新聞やニュースでもよく「昨年」という表現を使います。
気軽に使えるのが「去年」
おふざけが許されない場では「昨年」
を使うようにするといいでしょう。
真面目な手紙や、重要な報告では昨年がよく使われるようです。
なので、「昨年」は、相手との距離を保ちつつ話を進めたい場合によく使う表現と言えるでしょう。
では、違いのまとめに入りましょう。
使い方と違いのまとめ
まとめとして、両者の使い方を比較しながら見ていきましょう
過去にこういうことがあったとだけ言いたい場合
または砕けた表現で雑談をしたい場合
→ 去年
過去にこういうことがあって今もそれが続いている場合
または厳かな場で発表、報告したりする場合
→ 昨年
をよく使うということでした。
・去年結婚しました。 (一年前のある時点で起こったこと)
・昨年から結婚しています。 (今まで継続していること)
・去年はハワイに行きました。 (行ったという事実)
・昨年からハワイにいます。 (継続を表す)
会議の席などで
「昨年から業績が芳(かんば)しくなく・・・」
と言えば、現在もその業績不振が続いていることがわかります。
しかし、
「昨年から続いていた業績不振は最近解消されました。」
と言えば、ほんの少し前まではそうだったけど今は違うと理解でき、
そこからさらに一年経過すると
「去年解消された業績不振は・・・」
というふうに、過去の出来事として扱われます。
「去年」という言葉により今現在は業績は不振じゃないんだなということがわかります。
去年
・親しい人との会話や雑談でよく使う
・過去に起こったことを話しているだけで、現在に影響があるかは考えない
・話し言葉に多い
昨年
・真面目な場で使う(ニュース、新聞、学会、会議、報告、面接など)
・相手と距離を置くのに使う
・過去に起こったことが現在まで影響していることを伝える
・書き言葉に多い