1光年とは「距離」を表す単位のことだ。
光が一年間かけて進む距離のことを1光年(いちこうねん)と呼ぶ。
なぜ、〇〇キロとか〇〇メートルと書かないのだろう?
例えばあなたが「1240000000リットルの水をくんできてくれ!」
と頼まれたとしよう。おそらく混乱するはずだ。
「そんなにくめるわけがない!」と思うだろうし、
「どのぐらいの量か想像もつかない!」
とも思うだろう。
しかし「東京ドーム一杯分の水をくんできてくれ!」
と頼まれたらどうだろう?
「そんなにくめるわけがない!」とは思うが、どのくらいの量かは想像しやすくなったかもしれない。
(ちなみに東京ドーム一杯分=1240000000リットル)
「光年」という言葉を使うメリットはここにある。どのくらいの距離なのかを想像しやすくするために「光年」という単位を使っているのだ。
地球から月までは約38万4400km
これはどのくらいの距離なのか想像できるだろうか?
距離自体を想像しようとすればおそらく途中で考えるのが嫌になるだろう。
しかし、「光の速さで1.3秒」と言われれば、とてつもなく簡単に感じたと思う。
同じように地球から太陽までの距離は約1億5000万km
これは「光の速さで約8分20秒(およそ500秒)」
だと言われれば想像しやすくなる。
では肝心の1光年の距離を計算してみるとしよう。
光の速さは299792458m/s(約30万キロメートル毎秒)
だとわかっている。一秒で地球を7週半する速さだ。
これをもとに計算してみると
一秒間で299,792,458 m = 299,792.458km (光秒)
一分間で299,792.5×60 = 17,987,547.48km (光分)
一時間で17,987,547.48×60 = 1,079,252,848.8km(光時)
一日で1,079,252,848.8×24 = 25,902,068,371.2km(光日)
一年で25,902,068,371.2×365 = 9,454,254,955,48km(光年)
ということになる。計算では1光年は9,454,254,955,48kmになるが
正確には
9,460,730,472,580.8kmであるとされている。
数字ばかりでめまいがしてこないだろうか?
まとめると
1光年とは約9兆4千600億キロ
になる。もっと簡単に「約10兆キロ」や「約9兆5千億キロ」という人もいる。
これはどのくらいの距離かというと、地球一周が40000kmなので、
地球2億3652万周分になる。
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2月22日、NASAが「約39光年先に地球外生命体が存在する可能性がある」
というニュースがあったが、39光年とはどのぐらい近いのだろう?
1光年の距離を歩いたら何年かかるだろう?ボルトが走ったらどのくらいの時間で走れるだろう?実際に計算してみたので計算結果をご覧いただきたい。
ここでは次のような速さで計算してみる。
人の歩く速さ「約4km/h(一時間で4kmすすむ)」
ウサインボルト「44km/h(最大瞬間速度)」
新幹線(はやぶさ)「320km/h(日本国内最高速度)」
X-43航空機「12,144km/h(マッハ9.68,世界最速の航空機)」
次に、これらが1光年(約9兆4千600億キロ)進むのにかかる時間を見てみよう。
人 = 9460000000000 ÷ (4×24×365) = 2億7千万年
ウサインボルト = 2千5百万年
新幹線(はやぶさ) = 337万年
X-43航空機 = 8万9千年
人類最速の男でさえ2千5百万年ほどかかってしまう。
最近ニュースになった39光年の場合はこの39倍だと思えばいい。
とんでもなく遠いということがわかるだろう。
ついでに、近所にある主な惑星までの距離を見てみよう。
地球から光の速さで
月まで1.3秒
火星まで約240~780秒 (近いとき~遠いとき)
水星まで約500.3秒 (地球からの平均距離で計算、太陽とほぼ同じ)
木星まで約1800~2400秒 (近いとき~遠いとき)
金星まで約150~480秒 (近いとき~遠いとき)
土星まで約4200~4800秒(近いとき~遠いとき)
太陽まで500秒
北極星まで約431光年