毎年、大晦日になると、「除夜の鐘」を108回つき、新年を迎えます。
今回は、除夜の鐘をつく回数がなぜ108回なのか見ていきます。
なぜ108回か?
いろいろな説がありますので、一つずつ見ていきましょう。
まず最初は、
中国の宋の時代に始まったもの
からです。
これは、一年(十二ヶ月)と二十四節気と七十二候を足し合わせたものが
12 + 24 + 72 = 108
となり、108になるから108回つくというものです。
ちなみに二十四節気は
春分・夏至・秋分・冬至
立春・立夏・立秋・立冬
小暑・大暑・処暑・小寒・大寒
雨水・白露・寒露・霜降・小雪・大雪
啓蟄・清明・小満
穀雨・芒種
の二十四の節気の名称です。
七十二候はこれら一つ一つに
初候・次候・末候をつけ、24×3=72 の候に分けたものをいいます。
例として
立春の初候は 東風解凍
立春の次候は 黄鶯睍睆
立春の末候は 魚上氷
などという名称がついています。
次に、
人間が、過去・現在・未来に持つ108の煩悩を打ち払い
それまでの罪の消滅をはかるため
という説です。
「煩悩」とは、仏教用語の一つで、心身を乱し悩ませ、
道理の判断を妨げる心の働き、
つまり、雑念のことを言います。
この「煩悩」が108つあるために
鐘を108回鳴らして、お払いをしようということになっているのです。
最後に、
四苦八苦
についてです。
これは
しく(4×9)+はっく(8×9) = 108
となることから鐘を108回つくことになっています。
「四苦八苦」の「苦」とは苦しみではなく
「思うようにいかない」ことをあらわしています。
思うように行かないことの例として
「生」きること
「老」いること
「病」気になること
「死」ぬこと
の4つが挙げられます。
これらを根本的に思うように行かないものの代表として
「四苦」といいます。
それから
愛別離苦(あいべつりく)
怨憎会苦(おんぞうえく)
求不得苦(ぐふとくく)
五蘊盛苦(ごうんじょうく)
という四つの「苦」を加えて
「四苦八苦」と呼ぶようになったようです。
ちなみに、鐘をつく回数はお寺により違うようで、
108回のところもあれば、200回以上鳴らすところもあるようです。
最初に「大晦日(12月31日)」につくといいましたが、大晦日のうちに
つくのは107回目までです。
108回目は住職さんが、新年を迎えると同時につきます。
鐘を突く回数の意味が分かったら、新年が明けてすぐになった鐘と同時に
気持ちを切り替えてその年の抱負を作ってみるのもいいかもしれません。