年末になると、挨拶のときに「年の瀬」という言葉を使うようになる。
どういう意味で使われているのだろうか?
慌ただしい年末、「年の瀬」の意味を知っていると、手紙やメールを書くときや
貰った手紙を読むときに、相手の自分に対する気遣いが見えてくる。
あなたは、年末と年の瀬の違いはわかるだろうか?
微妙だが、たしかに大きな意味の違いがある。
今回は、年の瀬。
丁寧な挨拶文には欠かすことのできない、季節の表現を見ていくことにしよう。
どんな意味か?
年の瀬とは、主に12月~12月の後半以降に使われる表現だ。
意味としては、
「年の暮れ」「年末」と説明される。
意味は「年末」と同じだが、その裏には、このようなニュアンスがある。
「時間の流れが早く感じる」「忙しく過ごしている」
どのような年末ですか?
と聞かれたら
「忙しいです」「時間がないです」「やるべきことが多くて手が足りません」
と答える人が使う表現だ。
つまり「年の瀬」とは
「忙しい」年末 「めまぐるしい」年末
ということになる。どのような年末かを説明しているのだ。
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なぜ「瀬」なのか?
瀬 = 流れが速い 浅い
年 = 今年のこと
あなたは、「いつか返すから」といって、ツケにしてもらったことは無いだろうか?
昔は、借金をしたら年末にその返済を行う習慣があった。借金を返し終わらないと年を越せない。そんな思いが、時間の経過を速く感じさせ「年の瀬」という言葉を産んだ。
「瀬戸際」という言葉がある。
「年の瀬」とは、まさに「年の瀬戸際」にいるということだ。
使い方
主に挨拶で多用されるのが「年の瀬」だ。
12月1日~12月31日の間に使われるのが一般的だが、
最も忙しくなる12月中旬から下旬にかけてよく使われる。
もちろん、12月初旬から忙しければどんどん使っていける。
そして
「時間が速く過ぎるように感じる」
ということを理解すれば、以下の表現が完全に使えるようになるだろう
・年の瀬はゆっくり過ごすつもりです
・年の瀬も押し迫って…
相手も自分も忙しいとわかっているときは
「年の瀬を迎え…」などで手紙やメールを書き始めてもいいだろう。
また、寒い時期だとわかっているので、
・年の瀬も迫り寒くなってまいりましたが、ご健勝のことと思います。
でもいいだろう。
特に忙しくもなければ、「師走になりましたが…」「12月になり…」
で始めたほうが自然だ。