難病指定されている潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)
年々増加傾向にあり、平成20年には10万人以上がかかっています。
どういった症状がでて、どのような合併症が存在するのか?
原因は不明とされているが、究明の現状はどうなっているのか?
現在の 治療法
などを見ていきます。
【潰瘍性大腸炎の症状、合併症】
初期症状としては便がゆるくなることです。
そのあとで、大腸内の粘膜が広く浅く炎症を起こし、
糜爛(びらん=ただれのこと)や潰瘍ができます。
それにより下血(血液等の肛門からの排出)を伴うまたは伴わない
下痢と腹痛が起こるようになります。
症状がひどいときは発熱も伴います。
潰瘍性大腸炎の合併症には局所症状と全身症状があります。
[局所症状の場合]
・大腸がすぼまる狭窄(きょうさく)症
・大腸に穴が開く穿孔(せんこう)
・大腸からの大出血
などです。
[全身症状の場合]
重症の場合は
・結節性紅斑などの皮膚症状
・結膜炎などの眼症状
・口内炎
・膵炎(すいえん)
などが有名です。
子供の場合は成長障害が起こる恐れもあります。
【原因究明の現状】
原因は不明となっていますが、有力な説をご紹介します。
[免疫異常によるもの]
症状の一つである、大腸内の粘膜の炎症の原因が、
免疫の異常によるものだとする説。
通常、免疫は外部からの異常の侵入に対して、
それを排除しようとする機能です。
しかし、それが何らかの理由でもともと体内にあったもの、または害の無いもの
まで排除しようとするようになってしまうという異常です。
例として、猫アレルギーや花粉症があります。
どちらも当てはまる人とそうでない人がいます。
これも免疫が関係していて、猫の毛や花粉を「異常」
とみなすかどうかの違いで発症します。
害のあるものを排除する役割は白血球が担っています。
免疫が異常に活性化すると、白血球も活性化し、粘膜を排除、攻撃し続けるため、
炎症が持続することになります。
この場合は、大腸の粘膜を「敵」とみなし、攻撃することで発症しています。
原因が不明というのは、この免疫異常の原因が不明ということです。
感染や、アレルギーなども疑われていますが、現段階では確証はもてません。
【治療法】
一般的には薬による治療が行われます。
しかし、重症の場合や薬が効かない場合には手術を行います。
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